このたび、2010年6月11日(金)〜13日(日)に第45回人類働態学会ならびに40周年国際シンポジウムを開催することとなりました。学会創立40周年を記念する大会をこの名古屋の地で開催できることを大変光栄に存じます。
近年急速に複雑化・多様化する労働環境・生活環境において、ヒトの働きや生活行動と環境との相互作用を探究する人類働態学は、人々の健康・安全・快適を担保するインフラ整備のために欠くことのできない学際的実践科学です。本学会が今年で40周年の節目を迎え、これまでの人類働態学の変遷を辿りつつ、今日の時代ニーズ、社会ニーズ、学術ニーズに対し人類働態学が果たすべき役割や、今後の展開・展望について今、議論すべき時期に来ていると言えるでしょう。
そこで今回の大会では、人類働態学会設立40周年を記念し、通常の全国大会内にて「学会創立40周年国際シンポジウム」を企画いたしました。40周年記念講演として国際人間工学連盟会長のAndrew S. Imada博士をはじめ、外国からも多くの講演者を迎えて、人類働態学の方向性等について討議します。さらに、酒井一博 学会副会長(労働科学研究所所長)に「人類働態学会の過去・現在・未来」についてご講演頂き、今後の目指すべき方向性の視座を示して頂く予定です。人類働態学の先進的なアプローチと今後の戦略に関する知識や経験を交流する良い機会になると思っております。
なお、次世代を担う人材育成・奨励の一環として、国際シンポジウムのポスター発表および全国大会の一般発表では学会奨励賞を授賞予定です。国際シンポジウムにエントリーされた演題は、人類働態学会英文誌Journal of Human Ergology誌にselected paperとして掲載・発刊する予定です。
また、毎年恒例となっている夏季研究会は、三重県鈴鹿市にある三惠工業株式会社様にご協力いただき、工場見学と参加型職場改善手法の体験をさせていただくことになりました。三惠工業様は昭和26年の創業以来「イス」一筋に的を絞り、事業を展開してきており、人間工学に基づくイスの設計にも精力的に取り組まれています。ご存じの通り、東海地域は製造業をはじめ多くの企業が活動しており、人類働態学の今後の展望を現場視点で討議するのにふさわしい企業と考えております。
最後に、開催地名古屋は交通の要所であり、新幹線で東京からは1.5時間、大阪からは50分、九州や仙台など日本各地からも飛行機を使えば1.5時間ほどでアクセス可能な好立地条件となっています。
多数の皆様方がご参加くださいますことを心よりお待ちしております。